2022年8月11日、「WHO(世界保健機関)が日本に新組織を作ることが明らかになった」という報道が流れました。
各社の報道内容をもとにニュースの全容を3分で理解できるようにまとめました。
- WHOが日本に新組織を設立する背景は?
- WHOは日本の新組織に何を期待しているの?
- WHOは新組織をなぜ日本に作ることにしたの?
- WHOが日本に新組織を設立して何が変わるの?
WHO新組織が日本に設立されるまでの経緯
各社の報道内容をもとに、WHOの新組織が日本に設立されるまでの経緯を簡単にまとめると下記の3ステップとなります。
(もちろん裏側で様々な調整がされてきたのでしょうが…)
2022年5月:WHO新組織が日本に設立決定
報道によると日本の岸田首相と、WHOのテドロス事務局長は2022年5月に電話会談を実施しています。
電話会談にて、WHO新組織が日本で設立される旨を合意し、日本は厚生労働省を中心にした作業部会の設置により、WHOの取り組みを支援することが決定したとのこと。
2022年8月:WHO新組織設立について報道
WHO新組織が日本に設立される見込みだという情報が、日本の外務省より公表されたことで、各社がこぞって報道しました。
2023年5月:G7広島サミット開催に合わせて設立予定
報道によるとWHOの新組織が設立されるのはG7サミットが広島で開催される予定の2023年5月とのこと。
広島出身の岸田総理は、このG7サミットは日本の国際貢献度を示す絶好の機会と捉えており、設立タイミングとしてはもってこいでした。
昨今、国際社会での影響力が弱まっている日本政府にとって、今回のWHO新組織設立は逃すことのできない大きなチャンスとなりそうです。
WHO新組織が期待される役割
日本に設立される予定のWHO新組織が期待される役割は大きく分けて3つとなります。
新組織の目標をひと言でまとめると、「患者が負担可能な金額で受けられる万人のための医療を実現すること」だそうです。
1)発展途上国への貢献
急速に経済成長が進んでいる発展途上国では、社会保障制度の充実が人口拡大に追い付いていないのが実情です。
つまり、日本のような医療費の自己負担額を抑える保険制度も少ない状況。
日本の国民皆保険制度でのノウハウをもとに、平等に医療サービスを受けられる世界の実現がWHO新組織に期待されています。
2)UHCの広報宣伝
UHCとは「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」という国際目標の略称です。
UHCは2012年に国際目標として国連総会で議決されており、今回設立される新組織の実現目標にもなる見込みです。
WHOによると「現状は世界人口の半数が基礎的な医療にアクセスできていない」とされており、実現は急務と言えそうです。
3)感染症拡大防止の枠組みづくり
3点目は「新型コロナウイルス等の感染症拡大防止の枠組みづくり」とのことです。
この点は報道も少ないことから、WHO新組織が具体的にどんな役割を求められるのか不明ですが。
今後、情報が開示され次第、記事にまとめたいと思います。
考察:WHO新組織が日本にできる理由と影響
最後に個人的な考察をまとめます。
WHO新組織が日本に設立される理由
今回新組織の拠点として日本が選ばれた理由は主に2点だと思われます。
(設立資金を日本が拠出する等の政治的な内容は割愛します。)
理由1:日本は社会保障先進国だから
日本の社会保障制度は、世界中でも稀に見るほど充実しています。
全ての日本国民が何かしらの保険に入る「国民皆保険制度」のおかげで、保険適用となる治療内容であれば、支払うことができるレベルの金額で治療を受けることができます。
その証拠に、日本の1人当たり年間受診回数は世界2位となっており、比較的気軽に受診できる体制が整っているといえるでしょう。
(参考)世界辞典「療機関受診回数ランキング – 1人あたり」
理由2:日本は少子高齢化先進国だから
日本は少子高齢化が進行している国であり、これは社会保障制度の維持や経済成長を考えるとデメリットとなります。
しかし、逆の発想をすると、世界各国が直面するであろう少子高齢化という課題を真っ先に経験し、対処法を考えることができる環境にあるとも言えます。
ある意味、新しい施策を実験する場に最適な日本だからこそ、今回のWHO新組織の拠点として役割を担うことができるのかもしれません。
WHO新組織が日本国民に与える影響
今回の新組織設立は、日本国民に良い影響を与える可能性があります。
というのも、新組織は日本政府にとって、国際的な立場を示すうえで非常に重要な意味合いを持っており、組織の失敗は許されない状況です。
つまり、手本となるべき日本の社会保障制度は、現在でも改善の余地が多数あるとされますが、これを機に改革加速につながる可能性が高いのです。
(参考)おかねとほけん「国民皆保険制度のメリット・デメリットを徹底解説!」
日本の社会保険制度がより良くなるキッカケになることを祈りつつ、本記事を締めくくりたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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面白いニュースです🏥
WHOが日本に新しい組織を設立することになったそう。
高齢化先進国の日本の社会保険制度が国際的にも評価される大きな機会となりそうです。
まだまだ改善できる要素も多い現制度も、これを機会に改善スピードが上がっていくことを期待したいですね🤔https://t.co/e4lFqcA4Ud
— Kaibo|医療情報ブロガー (@Kai_bo_japan) August 11, 2022